概要
イオンリテール株式会社は、独自開発した需要予測・発注システム「AIオーダー」を約380店舗に導入すると発表しました。このシステムは、客数と商品の需要予測をもとに最適な発注数を提示し、発注時間の削減と発注精度の改善を同時に実現します。
AIオーダーの特徴
- 客数と商品の需要予測をもとに最適な発注数を自動で提示
- 発注時間を平均で5割削減
- AIによる客数予測や過去の販売実績、曜日・価格・気温・プロモーションなどのデータを機械学習し、既存システムと比べ予測精度を最大40%改善
- 気温の変化等による突発的な品切れを減らし、過剰発注を防ぐことで平均3割の在庫削減を実現
- 在庫管理、値引き、発注修正などの業務負荷を減らし、生産性向上につながる
導入スケジュールと対象品目
- 2023年5月13日より約380店舗で導入開始
- 初期は練り物・豆腐・パン・デザート・生菓子などの日配品を対象
- 順次、他の食品、衣料、暮らしの品などにも拡大予定

今後の展望
イオンは、AIオーダーを既存の発注システムに埋め込む形で設計することで、新たな教育コストを抑え、全店への導入を容易にしています。今後も店舗データのデジタル化や需要予測を行い、発注の最適化を進めるとともに、物流課題の解決や商品開発などのサプライチェーンのDXをさらに推進していく方針です。
このAIオーダーの導入により、イオンリテールは業務効率化と在庫最適化を実現し、小売業界におけるAI活用の先駆的な事例となっています。